直島で島の魅力を感じた私は、その足で新しい経験を得られるのではないかと考え、豊島に向かった。
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その豊島では生きるとはなにか、自然と人間の関わり方について自分なりに考えることになった。その過程を綴ろうと思う。
高速船に乗って高松港から豊島の家浦港に着いた私は、絶望した。
その理由は私が最初に向かおうとした豊島美術館へのマイクロバスの定員が小さく、乗ることが出来なかったからだ。私と同じように豊島に訪れた他の観光客の方々も落胆していたが、このバスは地元の方々の交通手段であり、観光客の我々は使わせて頂いている立場なのでしょうがない、、、
次の便まで1時間以上ある。
私は決心して約40分程度かかる道を歩き出した。

あいにくの曇り模様で天気は悪かったが、青々と茂った木々と全面に広がる海が気持ちよかった。「たまにはゆったりと歩くのも悪くない」そう感じた。

歩いていると、きれいな棚田とその奥に目的地である豊島美術館が見えてきた。
ああ、懐かしい。
正直、私は棚田をこれまで実際に見たことは無かったが、なぜか懐かしく、エモーショナルに感じる。
私はその懐かしさを嚙みしめながら、豊島美術館へと入っていった。

まず、豊島美術館の建物周囲を囲んだ歩道を歩く。
歩道やベンチが綺麗な曲線となっていて、まるで自然と調和しているかのような素晴らしい歩道であった。
そのまま豊島美術館の本館へと進む。

豊島美術館の中は圧巻だった。
写真撮影が禁止であったため、画像で紹介出来ないのが心苦しいですが、、簡単に説明させていただきます。
まず、内藤礼と建築家・西沢立衛が設計した美しい曲線のある白い建築、柱がないことで感じる壮大さ、そして室内なのにも関わらず、外の空間の空気や音、光が注ぎ込むシームレスな空間の中である。
室内には多くの人がいるにも関わらず、物音一つせず、各々が思いのまま瞑想にふけっている空間であった。
その空間の中で、私自身は自然と人の関わり方について考え、そして自分自身を見つめ直す結果となった。
瞑想にふけった後、腹が減り始めた。
そこで、集落の空家を建築家の安部良さんが設計・再生した「島キッチン」へと向かった。

本当に美味しかった!
私は、島キッチンセット(¥1,760)を頼んだ。
味や見た目は高級ホテルで出されるような独自性のあるアイデアがこもった料理ながらも、なぜか懐かしい母の味がするものだった。
お米は先ほど紹介した棚田から採れたものを使い、野菜や魚は豊島産・香川県産にこだっているそうだ。
島キッチンで満腹になった後、歩いて30分ほどする「心臓音のアーカイブ」へと向かった。

「心臓の音のアーカイブ」は正直立地がすごく悪い、しかし立地が悪くて苦労した分だけ、感動は大きくなるそういう場所であった。
「心臓の音のアーカイブ」では世界中から集められた心臓音をパソコンで検索して聴くことができる「リスニングルーム」とインスタレーションが展示されている「ハートルーム」がある。
「リスニングルーム」では、ただ人の心臓の音を聞くだけなのだか、豊島のきれいな海辺を見ながら聞くとなぜか感動する。そして生きているとういことが、かけがえのないことであると実感する。
そして「ハートルーム」では、暗い部屋の中で鼓動の音と合わせて煌めく光を見て「生きることを」見つめなおす。そんな時間に私はなった。
そろそろ旅も終盤戦、「心臓の音のアーカイブ」を出発した私は、家浦港近くの美術館である「豊島横尾館」へと向かった。

豊島横尾館の中庭に訪れた私はその赤い、ビビットカラーに圧倒された。
この世にあるとは思えない、不思議な感覚である。
この美術館は古民家を建築家の永山祐子(最近話題の東急歌舞伎町タワーを設計)が改修を担当しており、ガラスの床などこれまで見たことのない設計となっている。
そしてアーティストとしては横尾忠則が参画しており、その世界観にどっぷり浸れる、そのような空間であった。
ここで、帰りの高速船に乗車しなければならない時間となってしまった。
帰りの船の中、私は今日感じたことを大切にして生きていきたい、そう感じた。
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